東京高等裁判所 昭和32年(う)2586号 判決 1959年4月07日
被告人 川上豊吉
主文
本件控訴を棄する。
理由
また、原判示二の事実に対応する本件起訴状記載の第二の公訴事実には「単に譲り受け」とあるに対し、原判決が「譲り受けて所持し」と認定判示していることは所論のとおりであるが、該認定事実を原判決引用の関係証拠と照合考察すると、原判決の右判示は被告人が肩書住居において原判示二の(1)ないし(20)記載の各日時に他から譲り受けた原判示各密造の焼ちゆうを、その都度そのまま所持したとの趣旨に外ならないのであつて、右各個の譲受と所持とを独立の行為と見ず、酒税法第四十五条の包括一罪と判定したものと解するに難くないので、原判決には審判の請求を受けない事件について判決したというような違法はなく、この点の論旨も理由がない。
(その余の判決理由は省略する。)
(裁判官 坂間孝司 井波七郎 司波実)